台湾の大学情報を見ていると「なにこれ?」と思う大学の名称はないですか?
今回は日本人にはちょっと不思議に感じる大学の名前の秘密に迫ります。
① 師範大学
日本語で「師範」というと、武道や芸道に長けている有資格者の人を連想するのではないでしょうか?
台湾(中国も含む)で師範大学というと「教育大学」を指します。
戦前日本にも教員を養成する学校として「師範学校」がありました。
しかし、戦後になって大学の学部に吸収されたようです。
台湾で教育分野の勉強をしてみたい人は「師範大学」に注目してくださいね。
【台湾の主な大学】
国立台湾師範大学(台北市)
國立高雄師範大學(高雄市)
國立彰化師範大學 (彰化市)
② 交通大学
「交通ってなに?ダイレクトすぎない?車とか電車とか信号とか勉強するの?」
と思ったのは私だけでしょうか……。
台湾(中国も含む)で交通大学というと「総合研究型大学」を指します。
総じて交通大学は、歴史があり、理工学系の難関大学のイメージが強いです。
交通大学の歴史を見ていくと、中華民国時代の1921年まで遡ります。
当時の交通部(省)が管轄していた上海、唐山、北京の学校を合併し、交通部(省)所属の大学とし、名称を「交通大学」としました。
その後、戦争の影響を受けての中国西部への大学疎開や国民党政府の台湾移動も関係し、現在「交通大学」は台湾と中国に以下5校あります。
①【中国・北京市】北京交通大学(交通大学北平分部が起源)
②【中国・上海市】上海交通大学(交通大学上海本部が起源)
③【中国・成都市】西南交通大学(交通大学唐山分部が起源)
④【中国・西安市】西安交通大学(交通大学上海本部が起源)
⑤【台湾・新竹市】國立陽明交通大學(交通大学上海本部が起源)
なお、台湾の國立交通大學は2021年2月に医学部で有名な國立陽明大學と合併しています。
③ 空中大学
「なに空中って?航空とか、ヘリコプターとか空軍のこと勉強するの?」
はじめて聞いたとき、お恥ずかしながら私の思考回路ではこのようなものしか出てきませんでした。
空中大学は主に社会人を対象とした「通信制大学」を意味しています。
空中大学は外国人も入学は可能ですが、台湾の居留証を保有していることが入学の条件となっています。
したがって、日本から台湾留学を目指す場合は希望校に上がることはほぼないとは思いますが、知識として覚えておくといいかもしれないですね。
ちなみに、台湾の國立空中大學は1986年設立、新北市に本部を置く大学です。
今回は3種類の大学の名称についてまとめましたが、他にも興味がある大学の名前があればぜひ教えてくださいね。